趣味の一つは読書。一つと言っておきながら、他には?と聞かれると言葉に詰まったりするけど。
著者・平澤さえ子さんがブータンに行って何をやったのか、ブータンの生活はどうだったのかについては、本作品を読んでいただくとして、私は彼女の生き方にとても共感するものがあった。
「ブータンでは、昨日や明日のことで思い悩んでいる人が少ない。みんな目に力があって、元気で活き活きしている。イライラしている人、喧嘩しているひとはめったに見ない。約束をすっぽかされても、怒らない。そんなおおらかさは、今を大切に生きているからだろう。私はブータンへ行くまで、いまを大切に生きるなんて考えたことがなかった。いま、自分は何をしたいんだろう?このように考えるタイミングが一日に一回でもあれば、目に見える世界が変わる。」
そんな一節がある。言葉として理解して、そう思いながら生きている”はず”なのに、それはあくまでも”はず”であって、気が付くと流れ作業のような日々を私は送っている。
「還暦の声が聞こえてくるあたりから、あと何年、元気でいられるか」と人は人生の残り時間を気にするようになる。いつか、あれをやりたいと考えていても、条件が整うまで待っていたら”いつか”はずっと先になってしまう。”いまやろう”と決めて行動を起こせば、きっと夢は現実になっていくものだと、私は信じてる。」
著者の言葉は、私の胸にぐっと突き刺さる。
今、いま、いま・・・、こだまのように聞こえてくる。
還暦までもう少しある。私はいったい何がしたいのか?苦渋の選択を迫られるという言葉があるけれど、それって幸せな選択でもあるのかも。選択するものがあるわけで、今の私には何もない。
「昨年末には、5度めのブータン行きのビザ発給待ち」と記している。
60半ばにしてこの思い。バランスの良いレシピを考え伝え、そしてブータンのホテルで働くスタッフに日本食を教えることになっているという。無形文化遺産になっている「和食」が浸透していくのもそう遠くない話かもしれない。彼女の元気さが、羨ましく思える。「幸せの王国」の国民が、もっともっと幸せを感じてもらいたいと願わずにはいられない。
2017.7.12 簡単 タコのマリネ が「タコマリネ」の人気検索でトップ10入りしました。 (昔の写真で画像悪いけど)